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デパンヌ3日間レース(福島晋一監督レポート)

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福島晋一監督のレースレポート

●デパンヌ3日間レース

開催日:3月29日〜31日
開催国:ベルギー
カテゴリー:UCIヨーロッパツアー2.HC

 

●第1ステージ デパンヌ〜ゾッテヘム

距離:198.2m

2日前のヘント〜ウェヴェヘム(U23ネイションズカップ)もすごい風であったが、今回滞在する海沿いの街は風が吹き荒れて、砂浜の風が舞い上がり大西、福井の二人の日本人メカは一台ずつ洗った自転車をトラックにしまいながら作業している。

このレースが終わった後、チームはオランダのレース「ヴォルタ・リンブルグ」に向かうが、自分は行かないのでノルマンディの選手が滞在する家から会場まで自分の車で向かった。

きれいなホテルで食事もうまい。食事の時に久しぶりにファンティーニのワインが飲んだ。スポンサーだからいう訳ではないが美味しい。

当日、目まぐるしく変わる風向きに気候。パレードの間にラジオツール(コミッセールからのレースの情報を受け取るラジオ)が作動していないことに気が付く。チームカーに乗るスタッフたちの助けを借りながら何とか乗り切った。

そう、今回は自分が第2チームカーを運転している。台湾以来のチームカー運転だがベルギーで運転するのは今回が初めて。

ベルギーのレースは街中や住宅街のようなところを右に左にせわしなく曲がり、それに登りや石畳では狭い道に多くのファンがせり出している。

スタート後、強風の中集団はいきなり4つに分かれる。その中で石橋選手を含む5人ほどの選手が遅れる。その中にはランプレの台湾人FENG選手と中国人のXU選手も含まれていた。レース序盤であったため彼らは完走することが出来なかった。

彼らを見届けて、FDJの第2チームカーと前を目指す。こういったレースは地元がかなり有利であるが、プロチームの監督はベルギーの地理(石畳)には詳しくないと務まらない。そして、前回のレースと比べても同じようなところをぐるぐる回っているのがベルギーのプロレースである。

前の集団に合流して、第1チームカーに合流したことを知らせる。レースは落ち着いた状態であったが、周回に入ってから集団が割れて先頭集団にはフィロージ、デネグリ、スタキオッティが入った。

デネグリ、スタキオッティは周回の登りで遅れてしまったが残った、フィロージは36秒遅れの23位でゴール。ハードな一日であった。

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●第2ステージ ゾッテヘム〜デパンヌ

距離:211km

ベルギーのレースは一日でスタッフもがっつり疲れる。昨日だけでもクラシックのような一日であったが今日はそれを逆に戻ってくるコース。天気は晴れているが肌寒い。

フレームに張る距離の表示の紙を心を込めて書く。昨日は雨が降って、それがぐちゃぐちゃになってしまった。その対策でレース後、スーパーでセロハンテープを買ってきた。

レースは序盤、小石選手が逃げる場面もあったがカウンターで行ったジリオーリ選手を含む5人の逃げが先行した。

第2チームカーの出番だ。集団をパスしてジリオーリにつける。今日は大門さんが隣に座ってくれている。冷静な指示はとても頼りになるが、いつまでも頼りにしているわけにもいかない。

今日はケンメルブルグなどの有名な登りが入った。ケンメルブルクの後にトップ集団でアタックがかかり、ジリオーリは遅れてしまった。そして、集団に戻った後は落車で遅れたビオラと遅れたジリオーリと小石選手のサポートをしてレースは終了。

レースは集団スプリントになり、ビビアーニがキッテル、クリストフを抑えて優勝。なかなかレベルが高い。チームからは風邪明けのレース参戦であるグロスが12位に入った。

最終日である明日は午前中111kmのロードレース。午後は14kmのタイムトライアルだ。午前中のレースはスプリントになる可能性が高い。総合で上位につけるフィロジーをこのままいい状態でタイムトライアルに向かわせることができれば、期待できると思う。

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●第3Aステージ デパンヌ〜デパンヌ

距離 : 111km

午前中のステージはほぼスプリントになるのは間違いないが、距離が短いだけに何が起こるかわからない。 朝早く、慌ただしく会場に向かった。

逃げには誰も送り込めなかったので集団の後方で待機するも、こういう場合は第2チームカーは暇になる。 世間話をしながら時は流れていく。

第1チームカーが小用で止まった時に代打で前に上がってサポートすることと、落車があった時は第2チームカーの代車も必要になるので前に上がるのが主な仕事になる。

最後は集団スプリントになり、キッテルが優勝した。 グロスは11位。

 

●第3Bステージ  デパンヌ

距離:14km(個人タイムトライアル)

午前中のレースを終えたあとは午後のタイムトライアルのための慌ただしい。

選手は自走でホテルに戻り食事をとる。 第一監督のマリオはタイムトライアルのスタート順が発表されるのをつながらないネットに苛立ちながら調べて、選手のホテルの出発時間を2班に分けて決める。

スタッフは自転車の番を交代でしながら素早く食事をとる。

そして、会場に向かうのだがホテルから会場まで8kmと離れていたこともあり、試走の時間を取ることもなく選手はぶっつけ本番でタイムトライアルに挑むことになってしまった。

ポジションを出したばかりのタイムトライアルバイクで懸命に走る選手の背後から檄を飛ばしながら小石選手とスタッキオッティ選手をサポートした。

チーム内でもっとも総合上位だったフィロージ選手はマリオが付いた。彼は優勝したボドナー(ティンコフ)から1分15秒遅れの38位でレースを終えて、総合は19位であった。

トニー・マルティンが同タイムで2位。 総合は初日にクリストフと一緒に逃げて朝のステージ終了時に12秒遅れで総合3位につけていたウェストラ(アスタナ)が、マルティンに抜かれることなく総合を手に入れた。

初日、2対1と優位にいながら何もできずにクリストフに負けて非難を浴びていたアスタナであるが、最後は一番大きな勝利を手に入れた。 レースとは分からないものである。

ベルギーの超級のレースとなると、スプリントで勝つこともタイムトライアルで勝つこともただ事ではない。 今の自分にとって世界のトップである選手、チームを相手に戦いながら学ぶことは多いし、非常に刺激的な時間を持たせていただいている。 ベルギーのステージレースは選手にとってもスタッフにとっても非常にタフで、自分は余裕がないが、慣れてくれば更に見えてくるものも多くなるだろう。