REPORT

ハンザムクラシック(窪木一茂レポート)

KUBOKI2

窪木一茂のレースレポート

●ハンザムクラシック

開催日:3月18日
開催国:ベルギー
カテゴリー:UCIヨーロッパツアー1.1
距離:199km

 

曇り小雨。距離199km。途中には短い激坂と、石畳を含む平坦基調なコース。コースのポイントを書いてフレームに張りつけてスタート。ティンコフのマッサーの宮島さんとも久しぶりに再会し、話せて良かった。19歳~20歳の時にナショナルチームの遠征でお世話になっていた。

15分前には並び、一番先頭でスタート。そのおかげで最初の10kmまでのアタック合戦には上手くチェックに入り、反応もできた。ジャコーモ・ベルラートがいつもどおり上手くアタックし、エスケープを試みている。勉強になる動きをする。今日はラスト3kmからの牽引の仕事を任された。もし逃げれそうであれば、逃げに乗っても良い。

エネルギーを使わないように、ベルラートの逃げの手助けのつもりで、序盤は動き、逃げを作る誘導をしていた。僕とベルラートが前半は積極的だったと感じた。最初の2時間は平均時速約52km。逃げも決まりにくいわけだ。2回ほど逃げれそうになったが吸収。6人くらいいたので、ワールドツアーのチームが潰しに来た。

70km地点の細いロータリーを左から回るが、数名の選手が止まるくらい減速してしまい、自分もあえなく減速。集団に戻るとき、前の選手がスリップして落車し、僕も続いて落車したが、なんとか復帰。ティンコフが助けてくれた。

集団復帰したときは4人の逃げができていた。落ち着いてから、補給を取りにチームカーへ。寒いからパワードリンクを持てるだけ持って皆に配る。

それから、だいたい130km地点まではチームで固まって走った。

その後、監督から指令が出て、NIPPOが集団をコントロールし始める。僕も軽めにローテーションに加わる。レース後に、これには参加しなくても良かったと聞かされた。しかし、要領がわからないので力を使ってしまった。

ロットユンボとNIPPOでローテーションし、逃げを40秒差まで詰めた。後ろにSkyやロット・ベリソル、ティンコフが走っていた。集団の先頭で、自分たちがレースを作っていると感じ、気分が良く感じられた。

しかし、そんなのも束の間で、15kmの周回コースを3周する終盤に近づいてくると、集団のペースが上がりチームで先頭にいたものの一旦下がってしまう。周回コースは道幅も狭く、路面も良くはない。いい場所を取ろうとするので脚を使う。

レース開始から3時間半が経過し、身体がなぜか動かなくなることを感じていた。長い距離のトレーニング不足の影響だと思うが、補給も取っていたし、終盤に向け準備できていたはずだった。

2日前のノケレ・コールスでも、レース経過3時間半付近でどうしようもないくらい、脚が回らなくなっていた。ギアを軽くしてもケイデンスが上がらない。そして初戦はどんどんエネルギーがなくなり、集団から離れてしまい降ろされた。ハンザムクラシックは2レース目ということもあり、ノケレ・コールスよりも、時間と距離に対して身体が順応してきていたと思う。

約170km地点で、チームメイトとはぐれてしまい、様子を見ながらサイドから一気に上がっていこうと試みるが他の選手も皆そうするので、なかなか前方に上がれずにいた。ラスト1周では、集団の後ろでしがみついていた。今日の僕の仕事はラスト3kmからの牽引だったが、そのアシストとしての仕事が果たせなかった。最後は仕事を終えたベルラートと一緒にゴールした。

今日は、エーススプリンターのエドワルド・グロスが11位でチーム最高位だった。チームカーに戻り、わずかなイタリア語と英語を交えながら、チームメートと今日のレースについて反省をした。

2レースとも春先のクラシックレースと呼ばれるもので、難易度は最上位ではないかもしれないが、勝負どころのスピードの速さ(具体的には速度60km前後の時間帯の長さ)、それでいて、ロータリーや障害物を避けるバイクコントロールと視野の広さ、コーナーリングからの立ち上がりの速さだったり、ダウンヒルの速さ、悪走路でのバランス感覚、さらには他の選手との密集度の高さといい、これは尋常ではやってられない危険なスポーツだと感じた。それは日本で育ったからかもしれない。

ヨーロッパではロードレースが盛んなスポーツで、本場ヨーロッパのレースをジュニア時代から経験している彼らにとっては、当たり前なことなのだろうと再確認した。ますますレース経験というものを積んでいきたいと思った。

今日はゴールスプリントになると予想されていたので、チームの牽引選手たちはしっかり体力を温存し、終盤に向けて仕事をこなせていた。僕は終盤までに脚を使いすぎたのかもしれないが、今回の結果から、よりトレーニングの質を上げて大切に練習を取り組まなければならないと思った。

もちろん、彼らは基本的な高い能力も兼ね備えているのは間違いないと思う。プラスに考えれば僕も今日はもっと体力を温存し、最後の牽引の仕事にだけに全うしていれば、能力をチームメートや監督にもアピールすることができたのではないかと思う。トラックレースの団体追い抜きで鍛えたスピードや牽引力を、チームのみんなにアピールできる日が早く来ると願って、次戦に備えトレーニングを行っていきたい。

クラシックレース2戦を走り、トラックからロードへの順応性がとても大切だと勉強になった。また2レースを走り終え、チームの雰囲気やレースの要領も少しずつ理解できてきた。収穫も沢山あった。

簡単なことではないが、最後まで残っていた牽引役の3人や、エーススプリンターのグロスのようにゴール前まで体力を温存できているとすれば、ゴール前まで牽引し、なだれ込みでゴールできれば、UCIポイント圏内も不可能ではないと思った。

日本にいては、HCや1クラスのレースを走るチャンスは少ないので、今の世界のトップチームに所属し、切磋琢磨できる環境で走れることを光栄に思い、限られている数少ない場面において、しっかりと自分の良さをアピールしていきたい。

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