REPORT

ツール・ド・台湾(福島晋一監督レポート)

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福島晋一監督のレースレポート

●ツール・ド・台湾

開催日:3月6日〜10日
開催国:台湾
カテゴリー:UCIアジアツアー2.1

 

●第5ステージ

距離:146m

いよいよ、最終日がやってきた。雨が降っている。レース後の食事をコンビニに買いに行ったり、慌ただしくスタートの準備をする。

スタート後に振り始めた雨はすぐに一層激しくなった。霧の中、視界が悪い中を11人が逃げる。差は7分に広がった。

メンバーはイラン人とうち、チーム右京以外は結構強いどころが揃っているが、総合で秒差を争っている選手は入っていない。ブリッツェンの清水監督が「一緒に追いましょう」と言ってきたので、元喜を引かせることにした。差は徐々に詰まり始めて最後の山岳に入るところで1分になった。

登り始めてしばらくしてからジリオーリが遅れ始める。彼はクライマーなのだが、まだ本来のコンディションではない。

そして、小石選手が遅れ始めた。徐々に差が広がる小石選手の背中にエールを送りながら、ゴールまで車を走らせた。

ステージ優勝して総合優勝ももぎとったのは、最初から逃げていたハッカー(アヴァンティ)。2位のマンセボ選手(スカイダイブドバイ)を振り切った。前日までは57秒遅れの総合18位であった選手だ。

小石選手はステージ34位。総合は29位まで転落した。「俺が登れればよかっただけなんですよ」と悔しさを隠しきれない様子だが、今回第1ステージでウィリアム・クラークとの力の差を見せつけられて、今回はクライマーとの差を見せつけられた24歳。

意外と不発だったのがイラン人たちだ。どうやら雨はあまり得意ではないのかもしれない。

小石には、ここで一歩、前に進んだのだから、目標を高く持って、さらに高みを目指してもらいたいと思った今回のツール・ド・台湾であった。

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●第4ステージ(南投)

距離:166km

レースの決定的な作戦を悩みながら過ごした頭に名案を思い付いた。総合リーダーと小石の差、2秒を逆転してリーダーになってしまおう。この2秒遅れのポジションも目立たなくていいが、リーダーになっても、リーダーを守る作戦を思い付いたのだ。

早速、作戦会議で、雨が降り始めてナーバスな路面であるが、ボーナスタイムを狙っていくことを伝えた。

レースがスタートして石橋選手が遅れ始めてリタイアした。そして最初のスプリントポイントでは、先行した1名が一位通過して、ポイントジャージを狙うチーム、ヘルスケアが2、3位通過。小石選手はボーナスタイムを獲得できなかった。狙う選手が少なくなったとはいえ、やはり簡単ではない。

130㎞地点を過ぎて、徐々に登りに入る。元喜がパンクで止まり集団に復帰するも、ペースを崩して遅れる。小石とジリオーリは順調に上っている。

レースはスプリントになり、ドラパックのクラークがステージ2勝目を挙げた。小石とジリオーリは集団でゴール。各ステージの順位合算で小石は総合4位から5位に落ちた以外は総合時上位には変動なし。小石はアジアンリーダーを維持した。

明日はいよいよ最終ステージだ。2級の登りが2つあった後に1級の山頂でゴールする。今まで大人しくしているイラン人たちが非常に不気味であるが、最終日気合を入れて行ってきます。

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●第3ステージ(桃園)

距離:118km

朝、チームカーは警察の誘導で隊列を組んでホテルからスタート地点までの道のりを行くが、これがとてもエキサイティングだ。朝の通勤ラッシュの時間帯に自転車のチームカーや関係車両が40台ほど連なっていくのだが、当然途中で信号が変わるわけで、途切れる。

警察は行けというが、バイクがじりじり前に進む警官もいない交差点を無視するのは非常に勇気がいる。だから、前の車との車間をあけずに行かねばならないわけであるが、そのためには立ち上がりでフルダッシュしなくてはならない。いつ事故が起こってもおかしくないがまだ幸い起きていない。オーガナイザーが保険代をチームに払わせているのが功を奏しているのか?

会場に着き準備をする。昨日はカザフの総勝ちだった。あまり強くないチームがリーダーになったから皆の総攻撃を予想したが、道が広くてまったく逃げが決まらないままレースは50㎞進んだ。

そこから、2人が抜けだして4分のリードを奪う。80㎞を過ぎて山岳地点に入る。細いくねくね道のアップダウンでリーダーのカザフがトラブルで遅れた。集団は人数を絞りながらも最後の10km。先頭との差は2分。登りであったので捕まるかと思ったが、アヴァンティのジャコーポを置き去りにして逃げ切ったオランダ人シュルティング(パークホテル)がステージ優勝。

リーダーのカザフが遅れて、初日のクリテでのリーダ集団(総合上位陣)からスプリンターが遅れたので、1位まで2秒差の小石選手が総合4位まで浮上。総合リーダーはアヴァンティのオコノール。アジアリーダー奪還した。

明日は150km地点で2級山岳があるがカテゴリー的には今日よりも緩いコース。気を抜かずにいいポジションを維持したい。

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●第2ステージ(新北)

距離:114.6km

釣りで有名な公園の前をスタート。 今年からは主催者から昼食が提供されないので、ファミリーマートに行っておにぎりを確保するのは自分の仕事だ。 海は濃霧にい覆われている。 中国からの汚染物質だろうか?

レースがスタートして、しばらくしてマリーニが下がってきた。 きつそうに顔を歪めて脚が痛いという。 もうやめていい。 そういう判断を下すしかなかった。

ヴィノフォーレバーの選手が単独で逃げてリーダーチームがゆっくりコントロールする。 スプリンターがリーダーの場合は少ない数の逃げを遠くに行かせて、選手を消耗させないままゆっくり上る作戦を取っている。 マリーニがリタイヤしていることが残念だ。

登りの前で差は8分。 下りきって残り30kmでも6分ある。 逃げ切りが濃厚である。 そういった場合なのに集団ではリーダーのユナイテッドヘルスケアが3人と少ないことを見たライバルたちがアタックを仕掛けて、収拾がつかなくなっていた。

そして、単独で逃げたカザフ人、アスタファフが2分差で逃げ切って、総合、山岳、ポイント、アジア賞。すべて総なめにした。 小石はアジア賞2位に転落。

明日から4人の出走になる。 レース後ホテルは国際空港のある桃園市だった。 リタイヤした、マリーニのチケットをイタリア側ですぐにとってくれたおかげで、彼はすぐにイタリアへ帰れることになった。

では今から彼を送ってきます。

 

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Photo credit: 中華民國自由車協會/攝影:Aaron Lee

 

●第1ステージ(台北)

距離:80km 平坦ステージ

今回のメンバーは重量級スプリンター、マリーニ。クライマーであるジリオーリ。指のケガから復帰戦の山本、ベルギーのクルーネでの落車の傷が痛々しい小石。そして、今年初レースになる石橋。

レース前日に軽い練習に出たメンバーから小石とマリーニが帰ってきた。途中で上げておくようにと言ったのだが、濡れたトンネルの中でスプリントをしたマリーニが落車して、小石を巻き込んだというのだ。「明日はもうもがけない」と落ち込むマリーニ。彼が狙えるのは大会初日の第1ステージしかない。

朝6時起床で会場に向かう。慌ただしいレースの当日。9時15分スタートの予定がスタートしたのは9時半だった。今日はマリーニのスプリント1本でいく。

逃げに小石が乗って差が開いていった。メンバーはドラパックのクラーク、ユナイテッドヘルスケアのアルザテ、アヴァンティのオコンナーなど強力な11名。チームとしては難しい選択だった。マリーニが集団を追って潰すように言ってきたが、他に追うべきチームがたくさんあるので、あえて追わなかった。

差は3分まで開く。前に行って小石選手にひかないように指示を出す。そしてスプリントを取るように言った。多くのチームが追ったが11人の先頭集団との差を詰め切れないまま、後半に差し掛かった。

スカイドライブのサンタロミータがパンクで遅れて、後続をスカイドライブドバイがひくも先頭は逃げ切った。ゴールはクラークが制し、小石は5位。優勝することを祈っていたが、残念な結果に終わった。

逃げ切った10人の中にアジアの選手は小石一人だったので、小石が最優秀アジア人選手のリーダージャージを手に入れた。マリーニの出番がなく残念。本人の落ち込みようは相当なものであるが、明日の登りをなんとか乗り切ればまだ、チャンスはある。

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Photo credit: 中華民國自由車協會/攝影:Aaron Lee