REPORT

ベルギー・クラシックレース2連戦(福島晋一監督レポート)

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福島晋一監督のレースレポート

●オンループ・ヘット・ニュースブラッド

開催日:2月27日
開催国:ベルギー
カテゴリー:UCIヨーロッパツアー1.HC
距離:200.8km

ベルギーのクラシック開幕戦だ。フランスの新しくオープンしたノルマンディー、オマールの拠点から電車で小石選手と移動した。ベルギーは天気が悪いことで定評があるが、この週末は天候も晴れ。気温は1℃から上がっても6度ぐらいで寒いが、運がいいとしか言いようがない。

自分はこのレースに来るのは初めてなのでハッキリ言って良くわからない。コースマップや過去のレースの資料を調べる。コースは非常に複雑でツールドフランドルで使う登りなどが、うじゃうじゃしている。

今回はコッリが風邪をひいて来なかったので7人で出走である。スタート前にマリオからコースの説明をするように頼まれる。スタートしてから間もなく、逃げが決まったが誰も乗れない。

風の影響をさほど受けることなく前半戦は平和に進んだが、距離を経て選手の顔色が変わってくる。80km地点でデネグリが落車で遅れる。それを待った小石選手は無事彼を復帰させるも、その後のペースアップで遅れてしまった。

選手が次々へと遅れる中チームの若手のホープ、フィロージ選手が千切れてきた。彼はヨーロッパ選手権U23で2位。世界選手権U23で6位に入った実績を持つ。復帰させようと必死になるマリオだったが、前を開いたウィンドブレーカーをぱたつかせながら、フィロージが”イージー”と合図した時にマリオがブチ切れた。

ウィンドブレーカーを脱がせてから、彼を集団に復帰させたが、その後の石畳の登りで彼は遅れてしまった。マリオに怒られる彼を見ながら、これだけ怒られたら彼も力が出るだろうと思ったが、彼にはうまく伝わっているだろうか?

そのあと、グロスもパンクとメカトラで遅れて集団にはスタキオッティだけが残っていた。終盤にかけてレースはばらけてゴール。スタキオッティの98位が最高位と惨敗の成績であった。

自分の印象としてはとにかく凄まじいの一言に尽きる。次から次へとあらわれる石畳セクターの距離や状況の変化を無線で伝えながら、スポンサーの電話に応えながら、ラジオツールを聞き取りながら、トラブルに対応する。5時間ほどのレースがあっという間である。とくにベルギーのレースは2日連続となるとスタッフもハードである。

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キーとなる登坂区間の距離数を書いた小さな紙を選手たちのバイクに福島監督が貼り付けていく

 

●クールネ〜ブリュッセル〜クールネ

開催日:2月28日
開催国:ベルギー
カテゴリー:UCIヨーロッパツアー1.HC
距離:200.7km

このレースは1クラスになっていたが、どうやら昇格されたようで監督会議では超級になっていた。監督会議は夜8時から行われて、監督は皆お疲れの様子。待っている間にビールが振る舞われる。さすがベルギー!

参加チームは前日のレースと変わらずプロツアー13チーム、プロコンチが10チーム、コンチネンタルチームが2チームと豪華。これは1クラスにしておくのはおかしい。

昨日に引き続き、快晴のもとでレースは行われる。前日に自分は橋川さんに連絡を取ってコースのアドバイスをいただいていた。じつに詳しい情報をいただいて非常に助かった。

このレースは昨年カベンディッシュが優勝したことからもわかるように、スプリントになる可能性が高い。ほかのチームも前日のレースと若干メンバーを入れ替えてきていて、たとえばオリカ・グリーンエッジは、新星スプリンターであるカレブ・ユアンを投入してきている。

チームとしては逃げにメンバーを送り込む作戦であったが、最初の12人の逃げにはメンバーを送り込むことはできなかった。集団はスプリンターを要するカチューシャ、クイックステップ、チームスカイがコントロール。60㎞地点では差は8分まで開いた。

それから、徐々に始まる石畳区間を抜けるにつれて、ペースは上がり人数は絞られていく。残り85km地点にあるオウデクワラモントの手前、ペースが上がりかけてきたところで小石が落車。ウエアを車に返そうと振り向いたところで前輪を前の選手にさらわれたようだ。彼は無事復帰するが登りで苦しむことになる。

最後まで行けばチャンスがあるマリーニも登りで遅れる。可能性があるのは第2スプリンター、グロスにかけることになるがグロスも先日の落車の影響とパンクで遅れる。最後はデネグリだけが集団に残る。

そこから、ボーネンを含む豪華メンバーの逃げができた。さらにそこから飛び出したヤスパー・ストゥイフェン選手(トレック・セガフレード)が優勝。2位は集団を制したクリストフ(カチューシャ)。デネグリ選手は21位でゴールした。

ベルギーの2連戦はチームとしては結果が出なかったが自分にとって非常にいい経験となった。そして、いよいよ日本帰国、ツールド台湾である。約2年ぶりのアジアのレース、楽しみです。

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レース前に行われるミーティング。ここでレースの情報を共有し、チーム内の作戦を決める