REPORT

ツール・ド・北海道(UCI2.2)

開催日 9月13日〜15日
開催場所 北海道(道東、道央)

今年で28回目、UCI公認レースとして18回目の開催を迎えた北海道を舞台にしたステージレースで、国内では貴重な全行程公道を使ったラインレース。今年は全3ステージで開催され、道央、道東地域を駆け抜けた。第1ステージでアレッサンドロ・マラグーティが総合首位に立ったが、第2ステージで2位に後退。第3ステージは逆転をめざしたものの、トラブルなどもあり、残念ながら総合順位逆転はならなかった。しかし、チーム総合優勝、山岳賞を獲得。

出場メンバー:ピエールパオロ・デネグリ、アレッサンドロ・マラグーティ、黒枝士揮、リカルド・スタキォッティ、山本元喜

●第3ステージ
開催地/帯広市競馬場〜 音更町 距離/166km

デネグリが2位、マラグーティの総合逆転ならず

大門監督のレポート
いよいよ個人総合が決まる最終ステージ。第2ステージのレポートでも記したが、今日もオーストラリアのバジェットフォークリストチームの動きに注目していた。

逆転を狙うチームにとって、リーダージャージを死守するチームを相手に、いかにしてスタート直後から彼らを消耗させるかが基本的に今日の鍵を握る。チームの基本的な作戦は、前半、最初の逃げグループが形成されるまで山本が前方で動き、そのサポートで黒枝もその展開に参加させるが、中盤からはメイングループに戻って必要な時にマラグーティのアシストに回る。スタキオッティはマラグーティの傍らでアシスト、デネグリとマラグーティはゴール前が丘になっており、デネグリが得意なコースなので、デネグリに先行させ、マラグーティを牽引すればチャンスが巡ってくることを想定。つまり、最終局面であるゴールで3位以内に与えられるボーナスタイムを獲得して、総合順位を逆転させる作戦で意見がまとまった。

予想どおりスタート直後から多くのアタックが繰り返された。リーダーチームがアタックにどのように反応するのかと関心があったが、チームでまとまって追うスタイルでなく、全員で交互にアタックに反応していたのは意外だった。アタックを阻止するために交互に反応していたのでは、通常体力の消耗も激しく防御戦としてはあまり向かない。ある意味、小馬鹿にした“舐めた”フォーメーションである。

パワフルな彼らが交互にアタックに反応するので、メイングループのスピードも一時時速60km以上のハイスピードでレースは進行した。これほどの前半の展開(リーダーチームの戦法)は予期してなかったので、集団の前方で展開していた山本もそこに居続けるのはさぞ苦しかったと思う。総合争いとは関係のないメンバーのアタックは容認したほうが、リーダーチームにとっては楽なはずなのだが、前半からのハイペースにより、半ば強引なまでの彼らの「今日は誰も逃がさない」という気迫が感じられた(彼らの真意は解らないが…)。

このオーバーペースだと、どこかで絶対にスピードが緩むことは確実で、そういうタイミングでの試みが必ず決定的な展開に繋がると考えていた。案の定40km手前の山岳ポイントを過ぎて、一瞬スピードが緩んだすきに間髪を入れないタイミングで、スーッと伸びたアタックで18人の決定的な逃げグループがあっさり決まった。先日のレポートでも記述したが、その後メイングループはピッタリとペダルを踏むのを止めてしまった。

チームカーからレースを観察していると、このレースは約半数以上の選手が真の意味で勝負に参加していない。それよりも「絶対千切れたくない」という心内がじわじわと伝わってくる。僕も以前から、愚痴として喋ってることだが、そういうジャンルに該当する選手には特徴があって、スピードが上がり集団がいくつかに分断される厳しい展開になったときに本性を発揮する。メイングループから取り残されたくないために必死に自身の力を発揮するのだが、勝負に関わる前方での展開には決して加わろうとはしないのだ(単に弱いからや力がないからではないと思う)。

解りやすく言うなら、勝負には余り関係のない第3グループから第2グループまで追い付くスピードは凄まじいのだ。かといって果敢にアタックするわけではない。このカテゴリーでは、当然のことながら初めてステージレースを経験する者もいると思うが、決して弱い選手ばかりではない。チームから具体的な任務が与えられてないか、そういった自覚がないのかも知れない。

イタリアのレースなら後方に取り残されたグループは、“余力は無い”との見方が一般的だ。だから必死モード(集団から離れたくない)の途中でスピードが落ちるとホッとする。そういう心境の選手が参加チームの半数を超えると、前記したような“集団の時速10km現象”になると察する。展開を集団の中で見守るだけの存在と言ったら良いのだろうか…。ヨーロッパでもそういった選手はいるが、それが半数を占める状況だと…。

レポートの本題からチョッと外れたが、こういう現象が勝負に参加しているチームにとっては一番怖い瞬間なのだ。たとえチームメイトを前のグループに送り込むことができたとしても、5分10分と差が開けば、後方の選手が優勝圏内から見放されてしまう危険性がある。しかし、そういうことは大して重要ではないと思われる。本来ならキャプテンや監督は前方に入ってるチームメイトと一緒に逃げてるメンバーの力量差を考えて采配、指示しなければならないからだ。

こういう決定的な局面に限って、コミッセールからの大会無線情報(逃げに入ったメンバーの番号)がピタッと止まる(執拗に責めるつもりは無いが原因は不明)。チームカーを呼んだ山本、マラグーティから誰が入ってるのか聞くが、逆に彼らのほうが僕から逃げグループの情報を知りたかったようだった…。でもスタキオッティだけが入ってることは知ることができた。

そうこうしてるうちにコミッセールから大会無線で番号が読み上げられた。メンバーは18人、優勝争いに関係するメンバーとしてはアンカーの内間(トップと6秒差)が入っていた。あとバジェットフォークリフトは4人がメイングループに取り残されていた。ゴール後に聞いた話では、マラグーティがその動きに反応したとき、複数のバジェットフォークリフトのメンバーが即座に反応したので、彼が追うのを止めたら、見事にその逃げが決まってしまったらしい。

しばらくして、バジェットフォークリフトの規則正しい牽引が始まった(ゴールまでおよそ110km地点、この時点でタイムギャップは2分半)。これからが彼らの本当の力やテクニックを拝見する絶好の見所だった。差は拡がり3分半になったところで、バジェットフォークリフトの監督が、1人だけ逃げのグループに入っていた仲間をメイングループに引き戻して、強風の中パワフルにメイングループをコントロール。

まだ序盤とはいえ、我々にもこの状況は不利なので、とりあえず山本と黒枝の2名をバジェットフォークリフトの牽引ラインに送り込んだ。補給地点の後から始まる山岳地帯でも、彼らの牽引は衰えることがなかった。全開には見えなかったが、80名弱の集団は常に一列棒状となった。

このままダラダラレースの状況を書いていてもしょうがないので少し早送りにするが、その後ゴールまで80kmを残して、前の集団もいくつかのグループに分断され、最終的には内間を含む6名が先行するレース運びとなった。メイン集団の前方を固めるバジェットフォークリフトのパワフルな牽引をチームカーから眺めていても、捕まるのは時間の問題だと思ったが差は中々詰まらなかった。内間の入ったグループは彼自身も好調で全員の実力や足並みが揃っていたに違いない。

その後6人から取り残されたスタキオッティを含むメンバーは、ラスト45km地点で全てメイングループに飲み込まれた(スタキオッティには自分から指示をしてメイングループに戻って山本や黒枝を助けるように指示した)。この時点でも逃げてる6名との差は2分半あったので、今日の逃げているメンバーは力強かった。ただコースの後半は北海道の典型的な広くて見通しの良い真っ直ぐな平地+強風だったので少人数の逃げグループには圧倒的に不利な状況だった。

ラスト15kmを過ぎてから、バジェットフォークリフトのリーダー以外の4名、山本、黒枝も渾身の力を振り絞り、さらに加速。ラスト10kmを切ってようやく6名も吸収され、最後の局面、クライマックスを迎えた。

ラスト1kmを切って左折後に現れる短い丘を、スタート前の打ち合わせどおり、デネグリがマラグーティを引っ張るように先行して駆け登るが、ゴール手前約30m付近で2人のホイールが接触(デネグリのエンド付近にマラグーティの前輪が入り込んだ)。マラグーティは前輪のスポークを数本破損し、ホイールがブロックしたため大きくスローダウンしてゴール。一方接触された側のデネグリも大きくバランスを崩したが、2着でゴールラインを走り抜けた。

ゴール後、マラグーティはホイールが破損したため走行不能なバイクをゴール付近から担ぎながら、「俺はなんという愚かなミスをしたんだろう…。俺は本当に大馬鹿者だ!! 最後の50mで勝利を確信し、30mで全てを失ってしまった。ここまでお膳立てしてくれたチームメイトにも申し訳が立たない」などと叫びながらチームテントに戻ってきた。しばらく興奮していたがすぐに宥められる雰囲気ではなかった。彼の落胆振りは相当だった…。こうして今年のツール・ド・北海道は決着が付いた。

2人からは、ゴール前のアクシデントがなければ、ワンツーでフィニッシュ、そして個人総合も「必ず逆転できた」と確信めいたことを多く聞かされたが、実際はどうだったか、個人的には正直なんとも言えなかった。ただ後ろからかなりの衝撃で接触されたら(マラグーティの前輪はスポークが8本折れていた)、デネグリ自身もかなり減速したであろうことは良く解った。

翌日、ゴール写真を確認したが、優勝した韓国の選手はゴール直前で大きく伸びていた。デネグリはすでにペダルに力が入ってないのも解った。それでも2着でゴールラインを越えている。マラグーティはデネグリの後方で口を開けて何か叫んでる様子が写っていた。確かにこのラスト500mのプロフィールだと、デネグリが最も得意とするパターンなのだが…。

あくまでも仮説だが、デネグリは確かにこのステージは勝てたかも知れないが、マラグティは果たして逆転圏内の3位以内に入れただろうか? 最終ステージは内間の粘り強い好走も光ったが、バジェットフォークリフトのそういう段違いのパワー(所詮コンチネンタルチームなのだが)を見せられたあとだったので、余計我々が考えていたゴール前での作戦が、トラブルがなかったら本当に成功したのか複雑な心境だったのかもしれない。本来、もっとも選手側の立場で味方に回らなければならないチームの監督がこういう冷めた評論をするのもどうかと思うが、どこかスッキリしない今年の最終ステージであった。

今回のレースで改めて感じたのが3日間のステージレースの戦い方の難しさ。自分は今でもよほど運にも恵まれない限り、個人総合リーダージャージは最終日のゴール後に着るのが作戦上いいと考える。特にこのレベルでの戦い方は毎回困惑させられるが、確かに自分が考えすぎだということは否定できない。

第2ステージが終わった後、アンカーの水谷監督と少し話をしたのだが、彼らはこの日我々が執った行動(リーダーチームが主導権を握らない)が理解できなかった様子だった。NIPPOらしくないと彼から言われ、苦笑いしてしまった。確かに彼らの気持ちも良く解るが、まぁ我々も“寝ていた”わけではないので、正当性は誰にも解らないと思う。いくら200kmを超えるステージでも、1kmおきに各チームの思惑は変化し、状況も変わるのだ。同時にライバルチームの思惑も予測しながら、全て同時進行させて刻々と迫るゴールを目指す。決して巻き戻しはできないのがステージレースの醍醐味でもある。

自分は前述したとおり、レース全体の雰囲気に過敏に反応し過ぎたのかも知れない。我々の反省点は変に監督である自分が考えすぎた点だろう。今回来日したイタリア人メンバーも、3日間で色々なことを学んだと思うが、バジェットフォークリフトは、そういった順応性は度外視しているかのようにパワフルだった。今年の総合力は彼らが間違いなくトップだったと思う。

3日間のステージレースでは、ステージ優勝、ポイント賞、山岳賞ならびに個人総合の上位(2位3位含む)だけを狙うだけなら実力どおりのメンバーで臨めば、何らかの期待どおりの成績を持ち帰ることができると思う。しかし個人総合優勝の価値は、他の賞とは桁外れに違うのだ。世界を眺めれば3日間のステージレースも特に珍しいわけではない。

今回アンカーは、とてもわかりやすい良いレースをしたと思う。内間の個人総合3位を守るどころか、当然2位も狙っていなかった。世界の舞台の常識と経験も兼ね備えている水谷監督ならではの当然の采配だった。他の日本のチームは作戦らしい明確な作戦、目的(勝利を目指す)が非常に見えにくかった。

今回メンバーに選んだ山本と黒枝だが、昨年まで所属していた大学では、事実彼らが強かったせいもあって、結構自由に走らせてもらえた環境だったと思う。彼らは日本のどのレースでも常に結果を求められる存在だった。ただヨーロッパに渡った初年度の今年は立場も変わり、結果に繋げるための“引き立て役”を懸命に学ばされている。

山本も黒枝も今の同世代の日本人の中では今でも結果を残せる選手だ。日本人がメインのチームに所属し、相応のレベルで走れば、勝ちを狙いに行ける即戦力。ただ彼らはあえて厳しく現時点では不利な選択をしたと今でも思っている。これまで勝てていた選手は、たとえレベルが上がっても、勝てなくなると正直寂しいものだ。それが勝ち負けにこだわるという選手の心理でもあり理屈なのだが、さらに上を目指すなら、90パーセント以上が“引き立て役”の世界に飛び込まないことには話にならない。サッカーやテニスプレーヤーでもそうだが、強くなるための理屈は至ってシンプル、自分より強い選手と戦わないかぎり自身の成長は絶対に見込めない。

選手もスタッフも本気で世界の土俵を目指してるのであれば、年齢的にもチマチマと足踏みしてる場合ではないのだ。スポンサーからの支えも得て環境も与えられる時期はそんなに長くない。たとえチャンスを与えられたとしても、“選ばれた人間”は上に行けば上に行くほどどんどん絞られる厳しい競争。だからこそ、チャンスが与えられてる間は、必死に挑戦しながら“壁”と戦い続けてほしいと、山本と黒枝の走りを見て感じた今年のツール・ド・北海道であった。

●第2ステージ
開催地/幕別町〜幕別町 距離/183km

スタキォッティが4位でゴール

大門監督のレポート
リーダージャージを付けて臨んだ第2ステージ。本来ならチームでコントロールすべき場面だが、改めて3日間の短期決戦、そして5人体制というイタリア人選手にとって不慣れな懸念材料を踏まえ、基本的にジャージを守るよりチームの誰かに引き継ぐ展開も考えながら、守るのではなく攻撃しながら臨機応変にチームで対応するように指示しスタートさせた。もちろん、こういったある意味常識(マニュアル)から外れた作戦(レースの流れの特殊性)である僕からの指示にイタリア人メンバーは毎回(毎年)いつも困惑している….。

スタート直後からいきなり集団が大きく2つに分かれ、4人が後方の集団に取り残されてしまったが、即座に対応し大事を免れた。やれやれ…..こういうことがあるから慣れてないと怖い。アタック合戦が繰り返されてるかと思ったら集団の速度がピタッと止まってしまうことも多く、様々な場面で冷や汗をかかされることも多い。

その後も細かいアタックが繰り返されたが、タイム差は開いても1分以内、我々のメンバーも要所でアタックに対応する。一時デネグリが入った逃げが決まったように見えたが危機感を感じたチームが牽引し、数キロ後に吸収された。

そして100km過ぎに約16名の逃げグループが形成され、すぐに3分開く。そこにマラグーティから6秒差の総合2位のオーストラリア人が乗る。少し様子を見るが、総合3位に付けているアンカーが総出で牽引し始めたので、山本と黒枝を送り込み牽引させた。

逃げグループのスタキォッティには無理はさせなかったが、協調体制が取れていたようでペースは落ちず淡々リードを保つ。アンカーチームの強力な牽引によりタイム差も縮まったが、逃げグループもペースを落とすことなくラスト20kmを通過、スタキォッティの調子も良さそうだったのでタイミングを見計らって後半の起伏区間で抜け出せるようならチャレンジするように指示した。

ラスト5kmで差も40秒に縮まり吸収されそうだったが、チームもスタッキオティで勝負させたい意向もあったので、自らの力で捕まえることはせず結果的11人の先頭グループから数秒差でゴールした。結果的に勝負を托されたスタッキオッティはゴールスプリントで脚が痙攣を起こしたようで4位に沈み残念な結果となった。

数秒差で個人総合を守ったかに見えたマラグーティだったが、2秒差で逆転された。しかし今回の状況では個人総合は最終日に持ち越されると予測していたので今日は死守するつもりはなかった。ただ大きく開かないことだけを注意した。

今日リーダージャージに袖を通したオーストラリアのチームは、初日から動きが良く様々なアタック合戦でも逃げ遅れることはほとんどない。チームカーから見ていても彼らの積極的な動きは気持ちがいい。個々の力も申し分ないと思う。作戦的にもミスが殆ど見受けられない。明日はどのようにしてリーダージャージを守りきるのだろうか…..?

我々も個々の実力は劣っているとは思わないが、今一歩日本のチーム独特の雰囲気&展開が読みきれてない雰囲気を感じている。自分自身考え過ぎなのかもしれないが、今日もし数秒差でリーダージャージを守っていたほうが最終日スタート前は落ち着かなかったと思う。

選手は守れたら守りたかった様子だったが、短期のステージレースのケースでは数秒差なら守るより失ったほうが最終日に向けてメリットは多いと思う(もちろん勝負の世界はアテが外れることもあることはこれまで散々経験している)。短期のステージレースではリーダージャージ(個人総合)は最終日に着なければ意味がない。

そんなことより明日は上位の全チームにまだまだチャンスがあると思う。オーストラリアのチームにとっては今日リーダージャージを獲らない(数秒差で届かず)状況で明日を迎えたほうが勝利により近かったような気配も感じる。おそらく明日は勝つか、圏外に散るか(負けるか)どちらかだろう。こんなことを長々と書いているとまるで他人事のようだが真剣勝負とはそんなもんだ。だからこそ勝利には価値があるのだ。

各チームの思惑は様々だと思うが我々もあらゆる手を尽くして勝利を目指したい。

●第1ステージ
開催地/千歳市〜新得町 距離/190.7km

マラグーティがステージ優勝、総合リーダーに

千歳市市役所で開会式を終えたあと、千歳市から新得町までの190.7kmで開催された。序盤に5名の先頭集団が形成されたが、1つ目の山岳ポイントを越えて集団に吸収。その後、マラグーティを含む4選手が先行し、最終的に3選手による逃げ切りの展開となった。アシストの意味合いから逃げに乗っていたマラグーティは体力を温存できていたこともあり、3選手によるゴールスプリントを制してステージ優勝。個人総合リーダー、山岳賞、ポイント賞を獲得した。3選手のあとは大集団でのゴールを迎え、黒枝士揮が後続集団のスプリントを制してステージ4位、そしてリカルド・スタキォッティ(イタリア)が5位、ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)が6位と続いた。

アレッサンドロ・マラグーティのコメント
「今シーズンはチームからの期待に対して、思ったどおりのレース運びができず、多くのストレスを抱えていた。そして今回の来日直前の事故(トレーニング中にクラッシュして顔面に多くの傷を負った)は、その骨頂とも思えるくらい不運に感じ、本当に腹立たしかったんだ。でもこの勝利がやっと暗いトンネルから抜け出せるチャンスに繋がると思う。勝てて本当に嬉しい」

大門宏監督のコメント
「最後は吸収されると思っていたがメイングループが、ゴールに向けて活性化しなかったのが意外だった。 ラスト40km地点でマラグーティを含む先頭集団が形成された時、彼自身は最後はメイングループの誰かに託すために加わった様子で、他の3選手より積極的に牽引はしていなかったのも精神的に良かったと思う。 今年は彼にとってアンラッキーな出来事も続いていたので、この勝利が彼にとってチームからの期待を挽回するきっかけになってくれたらと思う。

結果的には後方集団も黒枝(4位)、スタキォッティ(5位)、デネグリ(6位)の順で入ったので、マラグーティが吸収されても勝てたと思う。自分たちには恵まれた展開で、ステージだけ切り離して考えれば、確かにパーフェクトな勝利だった。ただ明日は明日の風が吹く。今日以上に気を引き締めて臨みたい」

黒枝士揮のレポート
第1ステージは190kmの平坦ステージで、序盤に5名の逃げが決まってからそれを吸収するタイミングで、チームメイトのマラグーティを含む4人が先行。
集団は逃げに乗せてないチームが追ったがなかなかスピードが上がらず、逃げ切り濃厚に。集団ではラスト3キロで集団の前に出始め、元喜がナイスな鬼引きで頑張る。ラスト1キロ切るまで元喜が粘って、デネグリ、スタキオ、自分の順でラスト500m。
ラスト300mでデネグリ発射!からのスタキオも発射!!さらに自分もスプリント開始!!!
自分が集団のトップを取り4位、5位、6位もスタキオとデネグリが取った。
マラも逃げ集団でスプリントを制して優勝!! 今日はとてもいい日だった!!
明日は平坦基調なコースだけど、風が吹きそうなので気をつけて、ステージ&総合優勝目指して頑張ります。