REPORT

ツアー・オブ・チンハイレイク(UCI2.HC)

開催日 7月6日〜19日
開催場所 中国西寧、青海湖、蘭州
アジアツアー最高峰、超級カテゴリーで開催される中国内陸部のステージレース。全13ステージ、14日間と開催期間が長く、また平均標高海抜2265m、最高地点で海抜3858mと高地で開催される。

出場メンバー:宮澤崇史、黒枝士揮、石橋学、小石祐馬、グレッガ・ボレ、エドワード・グロス、ピエールパオロ・デネグリ、リカルド・スタキッオッティ、アレッサンドロ・ビソルティ

●第13ステージ
開催地/Lanzhou(蘭州) 距離/91km

ボレが2位、黒枝が6位でUCIポイントを獲得

2週間に渡り開催されてたツアー・オブ・チンハイレイクの最終日。最終ステージとなる第13ステージは地方都市、蘭州市内での91kmの平坦ステージで、約18kmの周回コースを5周回する。今日も集団ゴールスプリントの展開となり、マッティア・ガバッツィ(アモーレエビータ)がステージ2勝目を挙げ、僅差でグレッガ・ボレが2位。そしてトレインを必要としない選手たちが個々にスプリントに挑み、エドワード・グロスが4位、黒枝士揮が6位、そしてリカルド・スタキッオッティが9位でゴールした。

大会を通して、日本人U23選手への課題であった世界選手権へ向けたUCIポイント(9ポイント)を獲得することができ、チームはステージ2勝(ボレ、グロス)、ポイント賞4位(ボレ)、山岳賞6位(石橋学)など、好成績を残した。

黒枝士揮のコメント
「今回、UCIポイントを獲得するようにと言われていて、プレッシャーのかかるレースでしたが、最後まで我慢して、そして最後にチャンスが巡ってきたときに、無事にポイントを取ることができて良かったです。ただ、勝ちたいと思いながらもポイントを取らないとと思い、少し守りの走りになってしまったようにも思います。いつもゴールスプリントでは前で勝負できていたので、今後このクラスの大会では自信をもって勝ちを狙いにいきたいと思います」

大門宏監督のコメント
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●第12ステージ
開催地/Zhongwei(中衛) 距離/120km

エドワード・グロスがステージ優勝

郊外にある砂漠博物館前からスタートし、20kmの直線を走り、12.1kmの大きな四角形の平坦コースを8周回するステージで、終始強風が吹き付けるなかでのレースとなった。決定的な逃げは決まらず、大きな集団でゴール前1.3km地点の最終コーナーを抜けると、追い風のなかで高速のゴールスプリントの展開となり、リカルド・スタキッオッティの強力なリードアウトを得た21歳のエドワード・グロスがステージ優勝を挙げ、グレッガ・ボレが8位、宮澤崇史が9位と続いた。

エドワード・グロスのコメント
「チームメイトが自分のために働いてくれて、最高のレースになった。今日は風が強く、とても厳しいステージだったけど、勝てたことを嬉しく思う。これがシーズン6勝目、でもこの勝利を今季最後の勝利にはしたくはない」

宮澤崇史のコメント
「いろいろな可能性を考えて、ボレ、グロス、そして自分たちと3つに分かれてスプリントに挑むという作戦で、それがうまくいった。勝てなかったことは残念だけど、チームメイトが勝ったので良かったと思う。自分の調子が上がってきていることを実感しているので、また明日のステージで頑張りたい」

●第11ステージ
開催地/Yinchuan(銀川) 距離/131km

スタート地点から約60kmを走り、銀川市内の35kmの周回コースを2周回する平坦ステージ。チームは集団ゴールスプリントを狙ったが、残り700mの最終コーナーを曲がり向かい風の中で失速してしまい、最高位はグレッガ・ボレの9位。

●第10ステージ
開催地/Tianshui(天水)〜 Pingliang(平涼) 距離/223km

今大会最後のラインレースで、途中2級山岳と3級山岳を越えるアップダウンのあるコースプロフィール、また気温38度という酷暑の中で開催されたステージとなった。30km地点を過ぎて、リカルド・スタキッオッティの乗る15名の逃げが決まり、。その後、12選手、5選手と人数を減らしながらも彼らは終盤まで粘ったがラスト1kmを切ってから、加速するメイン集団に飲み込まれて、集団ゴールスプリントの展開となった。

メイン集団では、これまでの疲労と厳しい暑さから、徐々に人数が減り、ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザは、グレッガ・ボレ、ピエールパオロ・デネグリ、アレッサンドロ・ビソルティ、スタキッオッティ、そして宮澤崇史が残った。宮澤崇史は終盤、集団のコントロールに参加し、残り10km地点で仕事を終えた。

ゴールスプリントの場面では、チームのエース、ボレはデネグリのリードアウトでスプリントを開始したが両者の息が合わず、ボレが速いタイミングからスプリントをかけることとなり、ゴールライン前で失速。リーダージャージを着るイリヤ・ダビデノク(アスタナ)にあと一歩及ばず、ステージ2位でゴールした。

宮澤崇史のコメント
「最後の200kmを超えるステージ。4つの上りがあるが、いずれも集団でクリア可能な上りだったので、今日は勝負をしようと決めた。スタートしてしばらくアタックが続いたが、そこに便乗して総合上位陣も攻撃をし続けた。40km地点で12名の逃げが決まり、集団は落ち着く。リーダーチームのアスタナが引き始め、速いペースで進む。確かに12名も逃したら追うのも大変だ。レース終盤、ラスト60kmを切ってから上りが始まり、集団は小さくなって最後の3級山岳を超える頃には60人ほどに。逃げていたスタキオッティが吸収され、数名の逃げがまだ前にいる。この集団に、グレガ、デネグリ、スタキッオッティ、ビゾルティ、私の5名が残った。残り25kmで、ヴィーニファンティーニ・NIPPO、エウスカディ、ネットアップ、トルクで引き始め、1分45秒のタイム差を詰めに行く。残り15km地点で1分に、残り10kmまで引き続け30秒まで詰めたが、脚がイッパイになってしまい、後を託した。レースは残り500mで前を吸収し、グレガが2位でゴールした。チームとしての動きも良かったし、いいレースができた」

●第9ステージ
開催地/Tianshui(天水) 距離/118km

グロスが6位、黒枝が7位でUCIポイント獲得

休息日明け、天水市内に作られた11.8kmの周回コースを10周回する平坦ステージ。中盤からチームの作戦どおりにグレッガ・ボレが5選手の逃げに乗り、最終周回に入って吸収されると、集団スプリントの展開になった。ベテランスプリンターの宮澤崇史が後ろに黒枝を付けて位置取りをしながら前に上がり、ラスト500mの最終コーナーで宮澤が他の選手と接触をしてバランスを崩すと、そこから黒枝が単独でスプリントを開始した。チームメイトのエドワード・グロスもサイドからスプリントをかけてステージ6位。黒枝はグロスに次いで7位でフィニッシュ。黒枝はUCIポイントを4点獲得し、U23世界選手権出場に向けて、一歩前進した。

黒枝士揮のコメント
「宮澤さんが最後コーナーで落車しかけて、“行け!”と言われたので、そこから差を詰めながら走ったんですが、トップまでは届きませんでした。調子は良くなかったけど、休息日明けなのでフレッシュでした。明日のラインステージは耐えて、明後日以降、また上位でゴールしてポイントを獲得して世界選手権に行きたいと思います。今日のスプリントで手応えは感じられたので、頑張りたいです」

●第8ステージ
開催地/Xunhua(循化)〜 Lintao(臨トウ) 距離/226km

休息日前のロングステージで、スタート後50km地点に今大会最後の超級山岳、133km地点に3級山岳が控える。スタート後、超級山岳に向かう登坂区間でアタックが何度もかかり、石橋学がガデール・ミズバニ(イラン、TPT)の先行グループに入り、超級山岳の山頂を3位で通過する。その後、35名ほどとなったメイン集団に戻るも、そこから再びアタックがかかり、7名の先頭集団に入る。「山岳ですでに疲れてしまっていた」と話す石橋は、ゴールまで50km地点の上り区間を終えると先頭集団から遅れてしまう。グレッガ・ボレ、エドワード・グロスらが控えるメイン集団は、石橋が遅れたことを受け、ゴールスプリントの展開にすべく前を追った。しかし、ラスト数kmで6名の先頭集団も必死に加速し、25秒差で逃げ切り勝利。ボレがメイン集団の2番手でゴールし、ステージ8位となった。

石橋学のコメント
「今日はとても調子が良く、自分から動いて逃げを決めた。そのまま超級山岳に入る。イラン人がガンガンペースを上げるが着いていくことができた。2人になり暫く走っているとチームカーがやって来て『引くなよ!』という指示。イラン人はそれを聞いてペースを上げて、自分は千切れてしまうが、山頂付近だったのでゆっくり登っていると1人にかわされ、山頂を3番通過で登りを越えた。下りで集団に追いつかれ、再びアタック合戦になった。自分は休めと言われていたが、たまたま流れで乗ったアタックが決まってしまい再び逃げに……。正直かなり消耗していてキツかったが、潰れない程度に頑張ろうと気持ちを切り換える。しかし5分以上タイム差が広がり逃げ切りが見えてくると、徐々にペースが上がってくる。そこで耐え切れずに千切れてしまった。しかもその逃げは最後まで逃げ切りをしてしまう。とても悔しかったし、チームメイトに申し訳ないことをしたと強く感じたステージになった」

●第7ステージ
開催地/Tongren(同仁)〜 Hualong(化隆) 距離/142km

第6ステージで使ったコースを反対に走り、3級山岳を越えてゴールするコースレイアウトで、142kmとこれまでのステージと比較すると距離が短いステージだった。4選手の逃げが決まったが、そこからさらにアタックがかかり、ルスヴェロの選手が独走で優勝。追走集団でもアタックがかかり少人数でのゴールが続いた。ビソルティが追走集団でゴールして24位だった。

●第6ステージ
開催地/Guide(貴徳)〜 Tongren(同仁) 距離/208km

グレッガ・ボレとピエールパオロ・デネグリがワンツーフィニッシュ

45km地点に1級山岳、103km地点に3級山岳が設定され、ゴールに向けて緩やかに登っていくコースレイアウト。3級山岳を越えると、2選手が逃げ、40名ほどに絞られたメイン集団が彼らを追う展開に。チームは、メイン集団に、ボレ、デネグリ、アレッサンドロ・ビソルティ、石橋学の4選手が入っており、石橋学がドラパックらスプリンターチームと一緒に先頭を牽き、メイン集団をスピードアップさせる。ラスト10kmを切って、最後まで逃げていた選手を吸収すると集団スプリントの展開となり、ボレがデネグリと息のあったチームプレイを披露し、デネグリがラスト100mまでボレを連れいていき、最前列からボレを発射。そのまま2選手が先頭でゴールラインを越え、チームはワンツーフィニッシュを飾った。

グレッガ・ボレのコメント
「これまでに多くのステージレースを走り、今回のレースでも疲れを感じていたので、今日の勝利は少しサプライズでした。しかし、デネグリ、ビソルティ、石橋、彼らが非常に良く働いてくれ、今日のステージで勝つことができました。勝つことができてとても嬉しく思っていますし、チームワークがあっての勝利でした。チームに感謝しています」

石橋学のコメント
「キツかったけど、自分の走りが結果に結びついて良かったです。ちゃんと仕事ができたな、という気持ちで嬉しいです。また明日からもチームで協力して、最後に勝利につなげられるように頑張りたいと思います」

●第5ステージ
開催地/Qinghai Lake (青海湖)〜 Guide(貴徳) 距離/203km

スタート直後に超級山岳を越え、そのあとは緩やかに森林限界を超えた壮大な山を下り、ラスト60kmで再び1級山岳を越えるレイアウト。2つ目の山頂を越えた下り区間で30名ほどの先頭集団が作られるが、チームは誰も乗らず、後続集団でのゴールとなった。

●第4ステージ
開催地/Xihaizhen(西海鎮)〜 Heimahe(黒馬河) 距離/204km

青海湖の北側をなぞるようにして進む緩やかなアップダウンのステージ。時折、小雨が降るが、少数民族が住む美しい風景の中、レースは進んだ。チームは日本人選手を中心にアタックに反応して動いた。最後は集団ゴールスプリントの展開となり、ゴール前で落車が頻発するなか、チームは隊列を組み、ゴールラインに向けて加速していったが、最終コーナーで他チームの動きにより隊列が乱れ、エドワード・グロスが8位、宮澤崇史が9位でフィニッシュした。スプリンターたちの調子は良いため、今後のステージに期待がかかる。

宮澤崇史コメント
「昨日に引き続き200kmを超えるステージ。スタートからすぐに1級の山岳があり、3500mまで上る。昨日山岳賞4位の石橋をのせる動きで始まり、山頂では8位ほどで通過。逃げグループはペースを上げるが、リーダーチームが潰し、振り出しに戻る。そこから小石を含む9人の逃げに乗り、集団は落ち着くも、イランとカザフスタンが2人で追いついた。この11人をリーダーチームが容認せず、残り70kmで吸収。そこから3人が逃げ、ようやく集団が落ち着いた。この3人は残り20kmで吸収されると、黒枝を含む3人が抜け出しゴールを目指す。

集団はスプリントチームがペースを上げ残り15kmで集団は1つに。スプリントに向けて列車を作るも、ラインに入ってくる選手で崩壊してしまい、私も残り700mからグロスを前に連れて行くも発射に失敗してしまい結果を残すことはできなかった。

若い日本人選手は慣れない中でも、ここぞという動きに入れている。標高が常に3000mオーバーだが、モチベーションの方が高いようだ。明日からのレースも非常に楽しみだ」

●第3ステージ
開催地/Huzhu(互助)〜 Xihaizhen(西海鎮) 距離/232km

大会最長距離となる第3ステージは、気温10度以下の冷たい雨に見舞われた山岳ステージ。132km地点に超級山岳があり、非常にタフなレースとなった。山頂を越えて、18人の先頭集団が形成される。そこにチームは3選手を送り込み、結果的にその先頭集団にいた選手が逃げ切ったが、終盤のアタックには反応できず、最高位はエドワード・グロスの12位だった。厳しい寒さのなかでのレースとなったが、無事に全選手ゴールした。

宮澤崇史のコメント
「雨が1日中続き、スタート前も吐く息が白い。 速い展開のなかで、小石、石橋、黒枝の3人が動くも、ことごとく潰され、3人の逃げが決まる。 集団はリーダーチームがコントロールするが、前のペースも遅いため、イランを中心にメイン集団からアタックする選手が出る。 上りの途中で石橋を含む4人が飛び出し、集団もアタックが続く。標高が高く、ペースは速くないが標高3000mは息苦しさを感じる。 50人の集団で上りきり、残り100km。寒さと風で集団は緊張状態が続き、残り70kmは横風で集団が分散される展開となった。 先頭は5人が逃げ切り、18人の集団に残ったチームメイトは前に乗れずレースを終えた。 私は第2集団を追いかけながらのゴールとなった。 寒い中のレースだったが、調子は上がってきているので、チャンスを掴む走りをしていきたい」

●第2ステージ
開催地/Duoba(多巴)〜 Datong(大通) 距離/188km

チームが滞在するDuobaの国家体育トレーニングセンターからXiningを通過し、Datongの1周42kmのコースを3周回する平坦ステージ。序盤から3選手が逃げる展開だったが、ゴールが近づくと吸収。集団ゴールスプリントの展開となり、アスタナコンチネンタルが勝利。チームの最高位はエドワード・グロスのステージ8位。ラスト300メートルの最終コーナーに苦戦を強いられてしまったものの、UCIポイント圏内でゴールした。

●第1ステージ
開催地/Xininig(西寧) 距離/121km

宮澤崇史がステージ5位

開幕ステージは、西寧の市街地に作られた1周17.3kmの周回コースを7周回するサーキットレース。チームは序盤から積極的に動き、終盤にできた14人の逃げに宮澤崇史が乗る。終盤になり、そこから2選手のアタックがかかり、宮澤の追走グループは先頭に追いつくことはできなかったが、後続のメイン集団から先行してゴール。追走集団のスプリントで3番手に入った宮澤がステージ5位。チームは幸先のいいスタートを切った。

宮澤崇史のコメント
「前半から激しいアタック合戦が続き、2回逃げに乗るもいずれも集団に捕まり、カウンターで石橋を含む10人強の逃げが決まりました。エウスカテルが逃げを早い段階で潰し、今度は14人の逃げがカウンターで決まりました。ここに私が乗り、1分ほどの差でレースは進み、終盤の中間スプリントで2人が逃げ集団からアタック。12人で追いながらレースは進むが差は開いてしまい、後ろの集団の3番目、5位でゴールしました。今大会、最初のステージでいい感触を掴むことができて良かったです」