REPORT

ドバイツアー(UCI2.1)

開催日 2月5日〜8日
開催場所 アラブ首長国連邦

今年から新しく開催されたドバイでの4日間のステージレースで、ジロ・デ・イタリアの主催者RCSスポーツが主催し、世界のトップ選手がたくさん参戦した。第2、第3ステージで、ウィリアム・シミットが逃げに乗り、中間スプリントでポイントを多く獲得。単独首位で中間スプリント賞を獲得。また第4ステージでは宮澤崇史が名だたるスプリンターたちに果敢に挑みステージ8位でフィニッシュ。総合優勝はテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

出場メンバー:ピエールパオロ・デネグリ(総合83位)、石橋学(総合102位)、キム・マニウッソン(総合67位)、アレッサンドロ・マラグーティ(総合65位)、宮澤崇史(総合98位)、ウィリアム・シミット(総合118位)、リカルド・スタキッオッティ(総合69位)、アントニオ・ヴィオラ(総合116位)

http://dubaitour.com/

大門宏監督/GMのコメント
我々のチームのメインスポンサーでもあるファルネーゼ社は、今大会の主催者であり、ジロ・デ・イタリアの主催者でもあるRCSに対して、近年様々なスタイルで協賛してきた実績がある。彼らとは付き合いの浅い日本人の僕が察するかぎり、正直それが参加できた理由かどうかはわらないが、チームはこの栄えある記念すべき第1回大会の招待を得ることができた。とはいえ、参加チームのうち約80パーセントがワールドツアーチームで占められた雰囲気に、違和感を感じたのは自分だけではなかったのではなかろうか……。

まぁその辺りは開き直って、大会は自分の予想していたとおりジャパンカップに似たレース運びで進行した。今回、総合リーダージャージの他に用意されていた主な賞(ジャージ)はポイント賞と中間スプリント賞。大会の雰囲気から察して、我々を含めた「オマケ招待チーム」の4チームにとって、唯一現実的に狙える賞(ジャージ)は、大会前から「中間スプリント賞」であることは明らかだった。見比べるという意味で、価値観が同じとは決して思わないが、ジャパンカップの山岳賞も、ワールドツアーチームより数段格下にあたる、日本の「オマケコンチチーム」にとって、毎年現実的に狙える賞でもある。

我がチームは、初日から積極的に攻めた。現場の監督だったジュリアーニにとって、スタート前は中間スプリント賞を意識した作戦では決してなかったらしいが、結果的にシミットが乗った逃げは後半まで衰えなく続き、中間スプリント賞が掛かったポイントでも果敢に攻めた結果、翌日から栄えあるジャージを着てスタートするチャンスに恵まれた。こうなれば今回のような短期(4日間)決戦のセオリー(教科書)どおり、ジュリアー二監督のもとでチームの第一目標は、「最終日までのジャージ死守」に定められ、チームは一致団結した。

もちろん、チームの中で唯一結果を期待されていたスプリンター宮澤にも初日からゴールは託されていた。2日目は位置取りに恵まれず、ゴール付近で失速したが、混戦の中で優勝候補をマークしながら、前方に上がりながらゴールを狙う戦法を信条とする宮澤にとっては、決して珍しいことではなかったと思う。

3日目も結果的にはワールドツアーのスプリンター争いになったが、チームからは誰一人として先頭グループに送り込むことができず、歯痒い洗礼を浴びると同時に、レベルの違いと仕上がりの差を思い知らされた。しかしシミットのリーダジャージ死守戦術は、功を奏して守れたのが唯一の救いであった。

そして迎えた最終日。まずはシミットの中間スプリント賞ジャージを死守する戦術で、チームも強力にサポート。スタート直後から凄まじく繰り広げられたアタック合戦のあと、中間スプリント賞に影響のないメンバーに加え、デネグリが入った逃げ集団を先行させることに成功し、中間スプリント賞を確定させるには絶好の展開に持ち込んだ。我々のシュミレーションどおり、後半デネグリらの先行集団が吸収されると、どこのチームもゴールを狙うスプリンターを発射させるべく、必然的に連携プレーによるハイスピ ードなレース運びとなった。そんな中メイン集団で虎視眈々とチャンスを伺っていた宮澤も、シミットや他のチームメイトのアシストも受けながら、およそ60~70km/h近いハイスピードで進むグループ上位で粘り、ラスト500mを迎えて勝負に参加。結果は8位。

UCIポイントにギリギリ届かなかった……って声も聞こえてきそうだが、僕はそんなことよりもっと大きな価値を宮澤は得たのではないかと素直に思った。クオリティの差はあれど、生粋のスプリンターは真っ向勝負に参加して初めて、真の勘を養うものだ。今回ゴール前でひしめき合っていた選手の90パーセント以上はワールドツアーでも通用するスプリンターだ。そんな中で宮澤は昔の勘を少しでも取り戻したんじゃないか? なによりもゴールラインが見えるポジションで、勝負に参加できたことに深い意味がある。今回は彼にとっても初戦であったが、良い開幕戦になったと思う。

またもう一人の日本人として参加した石橋は、本人曰く「多くの課題の残った大会」だったようだが、肝心なことは日夜進歩すること。簡単そうで「日進月歩」はなかなか難しい。ただし真剣に大志を抱く選手には欠かせない座右の銘だと思う。これからも極力「足踏み状態」には気を払い、努力を惜しまず目標を見失わずに成長していってほしいと願っている。